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RECOLLECTION

「忘れたいのに忘れられない記憶、忘れたくなかったのに上手く思い出せない記憶」を軸に、「記憶」からイメージできることを鏡に写る自分自身と作家に語ってもらいながら撮影した作品。被写体は作家の実際の友人であり、彼等にとってのプライベートな空間で撮影されている。
この作品は、作家自身の自己認識への疑問から始まっている。作家は自己イメージと他者イメージ、そしてふと鏡に写った際などの偶発的な自己客観視による様々な自己認識のギャップへの気づきから、自身を“本当に”認識しているのかを疑うようになる。そして脳内再生で認識している自身の記憶へも疑問を持った。そして、その疑問は必然的に他者にも向けられた。
撮影では被写体に対して普段と視点を変え徹底的に第三者の立場を取った。被写体が選んで発した言葉に耳を澄ましながら、一部しか切り取れない写真を通してどこまで『写す』ことができるのか、自己認識の方法を他者を観察する事で探究した実験的作品。また、被写体の話から得た印象を、写真を加工し作家にとっての真実に近づけることで、他者イメージが持つ暴力性も表現している。

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